ファシリテーション時の「頭の中の枠」と「ボードの中の枠」

先日、自社イベント会場で行われたイベントで、普段ミーティングでファシリテーションを行うときに考えていることについてお話しました。

スキルハックfukuoka#2 https://skillhack-fukuoka.connpass.com/event/79252/

どんなこと話したの?

わたしは普段ファシリテーションさせてもらうとき、Open−Narrow−Closeモデルを頭に浮かべて、それぞれ「どのくらいホワイトボードの面をつかったか」で議論がどういう状態にあるかを捉えるように努めていますよ、というのが主な内容です。

以下、スライドで登場するキーワードについての補足です。

議論の生産性とは?

※(ここでの議論はミーティングを指しています)

このイベントのテーマは「生産性」だったので、改めて「議論の生産性」について考えてみました。そのものが成果を出すためのプロセスの一部なので、「ムダな会議が多くない?」「参加人数でコスト考えると見合わなくない?」など、生産性について語られるとき、コスト要素としてネガティブに捉えられるケースも少なくはないのではないか、とおもいます。

  • 関係者全員が参加すると多すぎてコスト増。何人か結局しゃべらないよね。。
  • そのうえ合意が大変。何も決まらなくて終わったり。前回もそうだったような。。
  • 人数減らしてた結果、不参加だった人の意見であとからひっくり返って辛い。。

などなど。

正直わたしも「認識合わせる」「整理する」「議論する」「検討する」などが目的のミーティングであれば、slackなどのコミュニケーションツールで事足りると思っています。でもプロセスとして整理したり検討したうえで、最終的に「何か」が産まれ、それが投資に見合うものであれば実施する価値があるはずですよね。

ミーティングにおける投資は「参加者の時間」と考えて問題ないでしょう。(もちろん特定スペースの専有も伴いますが)次に「成果」の定義ですが、ここでは「高次の合意形成」としました。

高次の合意形成

単に「なるほどね」と納得感を得てもらうためであれば、わざわざ集まってミーティングしなくてももっとよい方法はありますよね。 自分1人では思いつかなかったようなことが産まれたり、見落としが補完されて「いいじゃんそれ!!すごい!!」って思える合意形成できたら、それは議論においての「成果」であると考えています。

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そんな合意を分解すると ((納得感×人数)+ 共創性) と考えることができるのでは、と最近思っています。

多数の納得感を得たとしても、その分投資がかかっているので生産性が高まることはないです。でも 複数の視点 から産まれた「成果」には、抜け漏れのない網羅的な確認と、交錯からアイデアに深みがある。それは足し算でなく累乗の価値があると言える。そう信じることが引き出す側としての目標なんじゃないか とここで言いたかったのでした。

なお、人数イコール視点ではなく、1人で複数の視点をもつ人もいれば、職能が偏ることで3人で1つの視点になることもある、と思います。

とてもエモーショナルですが、伝わると幸いです。

話したとき上がった質問

「リモートではどう実現する?」という質問をいただきました。これは正直ずっと答えが出ずにいるし、当日も明確に答えられなかったのですが

  • リモートで無理にリアルミーティングのファシリテーションの成果を求める必要はない。
  • リモートならチャットツールで十分に事足りる。
  • これからリモートワークが当たり前になる分、実際に顔を併せる希少な機会で何が産み出せるかはとても重要。
  • 高度の職能レベルとファシリテーションスキル併せもつ人同士は言語のみで脳内同期可能で、リモートでも問題ないように見えている。
  • そんな人達でも顔を会わせたらもっと高い価値を産むのだろうな、と信じている。
  • VRミーティングが当たり前になったら、その時考えをアップデートしたい。

などなど思っています。

まとめ

  • 複数の視点を交錯させることで、ミーティングは生産性を高めることができる。
  • 課題に対するアイデアや考慮すべき要素を、網羅的に拡げ、収束して「成果をだす」ことがミーティングには必要。
  • 「頭の中」と「ボードの枠」を同期させ議論の状態を捉える。

当たり前のようなことですが、導くのがファシリテーターの役目であれば、しっかり意識しておきたいとおもっている次第です。

イベント開催情報

なお、明日(2018年4月15日)は以下勉強会のメインファシリテーターを行う予定です。 今回おかげさまでもう少しで定員です。興味ある方、是非お待ちしてます。

fflab.connpass.com