自宅から銃砲刀剣類が出てきた時の対処

このエントリは GMO Pepabo Managers Advent Calendar 2019 11日目のエントリです。昨日は吉野聡さんによる 商品を選択する時の話でした。

今年わたしの身に起きた「めちゃくちゃ大変なわけでもないが、想像だにしてなかったこと」に対処した話をします。

発生トリガー:実家との別れ

今年、私は生家に別れを告げました。25歳までずっと住んでいました。

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福岡市某所にあった実家(現在は所有者が異なるためぼかしています)

実家は薬局を営んでいて、幼いころは店内を遊び場とみなして走り回り、近所のお得意様や問屋の営業の人に遊んでもらったりしていました。 タンス、化粧棚、家具家電、など普通の家財道具だけでなく、ガラス棚やリポビタンDの冷蔵庫など特殊なものもあったので、どう片付けたものか、、と思っていましたが業者さんにお願いすると2〜3時間で家の中からっぽにしてくれました。プロの仕事はマジですごい。

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店内跡。幼少時、鉄製の柱に上り天井にたどりつくタイムアタックに全てをかけていた。
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幼少時、この戸棚にとんでもないものが入っていると妄想し興奮していた。
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店舗スペースと直結した居間。個人商店ってこういう感じですよね。
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居間での1枚。The Clashが名盤ロンドンコーリングを発表した1979年頃のわし。(中央)

夏休みや正月には親戚も集まり、また商店街だったこともあり比較的賑やかな環境だったな。など思い出し空になった家を眺めて少し感傷的な気持ちになりました。ただこの時点では厳密に言うと完全に空っぽになったわけではなく、仏壇が残されてる状態でした。

仏壇って普通に回収はしてもらえないんですね。仏壇屋さんを通じて専門業者を手配して、後日回収することになっていました。

これは何?

仏壇回収当日を迎え「ああ、やっとこれで全て完了だ。。」とある種の達成感を感じていました。もの寂しい気持ちがない訳では無かったですが、それ以上にやっと開放されるという気持ちが強かったんです。経験したことある方はわかると思いますが、とにかく大変なんですよ、、買い主が見つかるまでも大変だし、見つかったら見つかったで引渡し日がタイトな中、あらゆるインフラの停止。必要なものの判定、搬出。片付け業者選定、そして仏壇(実家って大抵ありますよね)の買い替えなどなど。。余談ですがお仏壇のはせがわさんで買い換えたら、親切丁寧な対応のうえ、Tポイントがついたのでおすすめです。

さて、回収業者さん(ヤマトさんの専門チームだった)も来て、手際よく作業を進められているのを眺めていました。さぁ仏壇を動かすぞ、となり抱えるとなかなか出てこない。

「あれ、なんか引っかかってますね。。せーの、エイッ!、ゴトン!!」

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仏壇の上から姿を現した刀

「あっ、これが引っかかってたんですね〜」って

「〜〜〜〜〜〜〜ッ!」ですよ!

何これ、いつから?いやじいちゃん?満州から持ってきてたの??護身用?? 強盗でもきたら斬り殺す気だったの??

などの疑問が色々頭に浮かびましたが、とにかく「まだ終わらないのかよ!!!」という脱力感がすごかったです。ヘナ〜って座り込んだんじゃないですかね。

埃のかぶり方から父が知っていたとは思えず、30〜40年くらいはここに人知れずあったのではなかろうか。。

ひとまず仏壇回収そのものは無事終えて、刀を車に積んで生活している家に戻りました。 が、ここでまず1つ間違っていたんですね。

#1. 登録証がない場合は最寄りの警察署へ連絡すること

帰って改めて確認したんですが、どう見ても刀です。

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気のせいかもだが使用感のある柄(後ろは姉の残したあすなろ白書柴門ふみ先生の名作)

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刀身(あと「九龍で会いましょう」とか「非婚家族」とかも名作ですよね。)

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光に当てると研いだ跡も見受けられた。

ネットでちょっと調べて警察に連絡しました。

「実家から日本刀出てきたのでお持ちしようと思うんですが。」

「登録証が無ければもってきてはだめです。こちらから伺います。銃刀法違反となる可能性があります。」

「まず発見場所を確認させてもらい、その後本当に真剣か確認させていただき、発見届を発行します。」

なるほど、、、実家から持ち出してもいけなかったということなんです。 実際、警察の方にお会いするときは

  1. 実家で合流。「ここで見つかった」という確認を行う。
  2. そのあと家で実物を確認してもらう。

という手順になりました。私の実家は車で15分位の距離だったのでよかったですが 県外とかだったら結構な手間になるところでした。

ここでのポイント

・銃砲刀剣類を発見したら警察に連絡すること
・発見場所から動かさないこと

#2. 「発見届出済証」を発行してもらうこと

県警の方に来ていただき、自宅にきて鑑定してもらうことになりました。 手際よく刀を解体していきます。プロの仕事はマジですごい。

「これは刀身の長さから言って脇差ですね」

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手際よく解体された刀剣類こと脇差

「あ〜銘がありますね、真剣で間違いないですし文化財の可能性はあります。」

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全然なんて書いてあるかわからないけど銘が入ってる

「発見届出済証を発行しますね。」

「所有し続けるためには県庁の文化財保護課で行われる審査会に参加し、文化財と認定され登録証をもらうことが必要になります。」

「ただ、認定されるかどうかはわからないので、必要なければ処分をおすすめします。」

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届出したことを証明する書式。銘は備前國長なんとか(見たこと無い漢字...)

処分するか審査会に出すか決めて改めて出頭してください、とのことだった。

後日警察に出頭し、審査会に出したい旨を伝えて手続きをしてもらった。 ここまで来たらこの脇差がどこから来たのか、自分の家とどう関わりがあるのか、可能な範囲で知りたいと思ったからです。 (※ このエントリを書いてる段階ではまだわかっていません。)

「本当はね、審査会も出さずに処分することを勧めてはいるんですよ。」

「なぜですか?」

「登録証を無くすことが多いんですよ。で、こうやって後の人たちが困るでしょう?」

このことばには納得感がありました。確かに困る。

ここでのポイント

・発見届出済証の発行により、一時的な保有が認められるということ
・登録証がないと継続して保有できないということ
・また、そのためには文化財として認められないといけないということ

#3. 自治体の文化財保護課からの連絡を待ち、審査要件を確認すること

後日県庁より連絡がありました。警察に届けて3週間後くらいですかね。

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県庁からの通知。(刀剣担当)ってあるんですね。

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注意事項、部分的な研磨を「窓あけ」と言うそうです。爽やかですね。

ここでのポイント

・届出から審査会への招集までは少し期間があくこと
・外国製、改造、日本刀としての工程ではない、など登録条件が明確にあること

#4. 銃砲刀剣類登録審査会に出席すること

審査会当日がやってきました。

「運搬する際には覆いかぶせるか、容器に入れるなどして危険のないように注意してください」と案内にありました。 ひとまず持っている一番大きいバッグに入れてみました。

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見ようによってはワンちゃんが顔だしてるみたいでかわいいですが、これ完全にアウトですよね。

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これもアウトな気がするが、、、これ以上は面倒なんでこのままバスに乗りました。

県庁に到着して、指定の地下会議室に向かいます。地下なのって銃の暴発対策とかですかね。

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峠の茶屋のような会場案内。あと「3号会議室」って主張が強い。

申請書類3部と番号札をとって着座して待ちます。この部屋は待合室で審査は隣の部屋で行われるようです。自分の順番がくるまで待ちます。 先に3種類の書類を準備します。「登録申請書」「審査申込書」「領収書紙納付書」です。 審査手数料6,300円、と案内にあったので審査そのものに費用がかかると思い、先に領収証紙を購入したのですが、どうやら審査の結果「登録可」となってからの手数料支払いでよかったようです。

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申請書類たち

この待合室が、独特の緊張感でした。みんな着座して長机の上に、その「審査対象物」を置いてるわけなんです。もちろん覆い被せているんですが、もうなんとなく形でわかりますよね。銃やら刀やら。で、みんな基本黙っているんですけど、常連みたいな顔見知り同士がお話されてて「今日は長モノがきとらんみたいやね〜」とか言ってます。長モノってなんですかね。薙刀とか? もう周りが気になって仕方なかったですね。

で、待っているうちに係員の方が審査対象を回収に来られます。お預けして審査完了するまで待ちます。 順番が来て呼ばれて「文化財として登録できます」という審査結果を受け、無事認定されました。 なお、所有者変更を行う際は別途申請が必要とのことでした。

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登録証。その場でラミネート加工された。

ここでのポイント

・領収証紙は審査完了してから購入すること
・「それなんですか??」とか他の人に話しかけたい興奮を抑えること
・この登録証を無くさないこと(最も重要)

審査・登録を終えて

審査会を終えて登録証を無事得ることができました。とはいえこれでようやく誰かに依頼するなど、調べることできる状態になった、つまりスタートラインなわけです。2020年のうちにこれが何なのか、ゆっくり確認していきたいと思います。

今回の件、正直に言うと自身のルーツを何か知ることができるかもしれない、というプラスのモチベーションで行動していました。が、前述の警察の方がお話されていた「後の人が困るでしょう?」ということばが一連の過程の中で一番印象に残っています。

祖父も、父も(おそらく知らなかったと思う)無責任に残すつもりは無かったでしょう。でも結果としては何の引き継ぎもなく私は知ることとなり、ゼロベースで問題に対処する必要があった訳です。

「意図せずに後人を困らせることがある」

ビジネスのみならず生活においても「後からわかる状態にする」ことの大切さを実感できたようにも思う出来事でした。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。「その銘知ってる!」って方いましたら連絡ください。 明日は中途同期入社 Yamarin Akane さんのお話です。おたのしみに!

ミドルアップダウンでのデザイナー成長環境への取り組み

このエントリは Pepabo Managers Advent Calendar 2018の9日目の記事です。

わたしは GMOペパボ 福岡オフィスにてホスティング事業部のマネージャーを務めています。このエントリでは2018年行っていた組織改善の取り組みを1つ紹介したいとおもいます。

実現したかったこと

「エンジニアのみならず、デザイナーの成長環境を福岡オフィスとして向上させていくこと。」

「いるだけで成長できる環境」をコンセプトとしてペパボのエンジニア組織はここ数年で大きく進歩を遂げました。理念「もっとおもしろくできる」を中心に、エンジニアの制度・働き方や、本Advent calender1日目 @hsbt のエントリエンジニアリングマネジメントについて にもあるように制度・組織構造としてのハード面、「Nice Try」「速」「ペパボカクテル」といった文化・教育としてのソフト面、と網羅的に取り組んでいます。それらの仕組みが機能することで急速に変化するIT技術に適応し、エンジニアリングは事業成長の礎として成り立っています。

デザイナー組織についても、シニアデザイナーを中心としたデザイン組織改善の取り組みは継続して議論されており、昨年は全社的な位置づけで「デザイン戦略チーム」も誕生しました。これらはデザイナー現場レベルのボトムアップ、組織構造としてのトップダウンと両側からの取り組みと言えると思います。それに加え、現場のデザイナーが所属する事業部のマネジメント層がミドルアップダウンでの取り組みを行うことが、強いデザイニング醸成の加速につながるのではと思っています。

特に福岡オフィスはペパボ研究所の活動拠点となっています。R&Dで産まれた技術をプロダクトに展開し、ユーザー価値を最大化するためには?と考えたとき、ユーザー視点というアプローチに強いデザイニングが必要だと思っています。

今年取り組んだこと

取り組んだことは主に以下2つです。

1. スキルセットの言語化
2. 他社さまとの勉強会/イベントの共催

1. スキルセットの言語化

デザイン戦略チーム @satosioホスティング事業部シニアデザイナー @_shige_yuka と事業部マネージャーとで、スキルセットの言語化に取り組みました。「デザイン業務」といってもビジュアルデザイン、インタラクション、インフォメーションアーキテクチャ、リサーチなどなど、それぞれ必要とされるスキルは異なります。「誰々は〜が強い」「誰々は〜を目指している」と、スキルセットが言語化され、且つ他業種・マネージャーにも共有されることでの、若手デザイナーのキャリア設計・タスクアサイン時の最適化を目指しました。なお以下の書籍を参考とし「等級によって必要となるスキルは異なるのでは?」「共有し定着するにはどこまでの細分化が適切なのか?」など議論を重ねました。

デザイン組織のつくりかた デザイン思考を駆動させるインハウスチームの構築&運用ガイド

デザイン組織のつくりかた デザイン思考を駆動させるインハウスチームの構築&運用ガイド

  • 作者: ピーター・メルホルツ,クリスティン・スキナー,長谷川敦士,安藤貴子
  • 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
  • 発売日: 2017/12/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログ (2件) を見る

本取り組みは @satosioにより「デザイン専攻」という形で全社的な取り組みとなりました。別の場所で紹介される機会があると思いますので詳細は割愛します。

2. 他社さまとの勉強会/イベントの共催

「自らの知見を言語化し伝える」「外の知見に触れる」機会は特に弊社のように組織内のインハウスデザイナーにとって十分には無いのではないか、と考え、外も巻き込み成長環境としての勉強会/イベントの共催に取り組みました。

ホスティング事業部デザイナーでHCD-Net認定 人間中心設計准専門家の@keita_kawamoto や @_shige_yukat を中心に、他社さまとの勉強会を定期開催しました。広告制作会社 株式会社彩さまとの勉強会は弊社公式ブログでも公開しております のでぜひ見てみてくださいね。

そのほかフリーエンジニア@take2webservice と「デザイナーを中心としたコミュニティを立ち上げたい!」という目的が一致し、デザイナーイベント ThinkDESIGN を定期開催しています。#1ではホスティング事業部 デザイナー @tomemot@Yoshiro Matsumoto によるムームードメインリニューアルの話や、#2では同じくデザイナー@mrkmrk_ によるLT参加もありました。

若手デザイナー @ryo_f_0828@har_439_04hz も企画・準備、当日外部デザイナーとの交流を積極的に行うことで刺激をうけていました。

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もはや名物となった@_04hzによる黒板アンケート(写真は#2)

これらがなぜ成長環境への取り組みと言えるのか?

これらの取り組みが定着することで「経験→内省→概念化→実践」コルブの経験学習モデルにおいて網羅的な質向上となることを期待しています。

1. スキルセットの言語化

自分がどんな能力に長けていて、どんな経験を積みたいか、希望と周囲の理解が一致すれば、業務経験の最大化へとつながると考えています。

2. 他社さまとの勉強会/イベントの共催

外部の知見を得ることは特にインハウスデザイナーとって視座を高めることに役立ちます。それは経験したことの内省、概念化、実践において質の向上につながると考えています。

これから

これらは事業成長に成果を出しているとまだまだ言えず、スタートに立ったばかりです。これからデザイナーの成長に伴いボトムアップに変化が起きると思います。事業環境の変化によりトップダウンにも変化は起きると思います。そのなかで、デザイニングを伸ばし、エンジニアリングと共によりよいプロダクトを作り出していけるよう、「ミドルアップダウン」にてできることを今後も考え、取り組んでいく所存です。

ファシリテーション時の「頭の中の枠」と「ボードの中の枠」

先日、自社イベント会場で行われたイベントで、普段ミーティングでファシリテーションを行うときに考えていることについてお話しました。

スキルハックfukuoka#2 https://skillhack-fukuoka.connpass.com/event/79252/

どんなこと話したの?

わたしは普段ファシリテーションさせてもらうとき、Open−Narrow−Closeモデルを頭に浮かべて、それぞれ「どのくらいホワイトボードの面をつかったか」で議論がどういう状態にあるかを捉えるように努めていますよ、というのが主な内容です。

以下、スライドで登場するキーワードについての補足です。

議論の生産性とは?

※(ここでの議論はミーティングを指しています)

このイベントのテーマは「生産性」だったので、改めて「議論の生産性」について考えてみました。そのものが成果を出すためのプロセスの一部なので、「ムダな会議が多くない?」「参加人数でコスト考えると見合わなくない?」など、生産性について語られるとき、コスト要素としてネガティブに捉えられるケースも少なくはないのではないか、とおもいます。

  • 関係者全員が参加すると多すぎてコスト増。何人か結局しゃべらないよね。。
  • そのうえ合意が大変。何も決まらなくて終わったり。前回もそうだったような。。
  • 人数減らしてた結果、不参加だった人の意見であとからひっくり返って辛い。。

などなど。

正直わたしも「認識合わせる」「整理する」「議論する」「検討する」などが目的のミーティングであれば、slackなどのコミュニケーションツールで事足りると思っています。でもプロセスとして整理したり検討したうえで、最終的に「何か」が産まれ、それが投資に見合うものであれば実施する価値があるはずですよね。

ミーティングにおける投資は「参加者の時間」と考えて問題ないでしょう。(もちろん特定スペースの専有も伴いますが)次に「成果」の定義ですが、ここでは「高次の合意形成」としました。

高次の合意形成

単に「なるほどね」と納得感を得てもらうためであれば、わざわざ集まってミーティングしなくてももっとよい方法はありますよね。 自分1人では思いつかなかったようなことが産まれたり、見落としが補完されて「いいじゃんそれ!!すごい!!」って思える合意形成できたら、それは議論においての「成果」であると考えています。

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そんな合意を分解すると ((納得感×人数)+ 共創性) と考えることができるのでは、と最近思っています。

多数の納得感を得たとしても、その分投資がかかっているので生産性が高まることはないです。でも 複数の視点 から産まれた「成果」には、抜け漏れのない網羅的な確認と、交錯からアイデアに深みがある。それは足し算でなく累乗の価値があると言える。そう信じることが引き出す側としての目標なんじゃないか とここで言いたかったのでした。

なお、人数イコール視点ではなく、1人で複数の視点をもつ人もいれば、職能が偏ることで3人で1つの視点になることもある、と思います。

とてもエモーショナルですが、伝わると幸いです。

話したとき上がった質問

「リモートではどう実現する?」という質問をいただきました。これは正直ずっと答えが出ずにいるし、当日も明確に答えられなかったのですが

  • リモートで無理にリアルミーティングのファシリテーションの成果を求める必要はない。
  • リモートならチャットツールで十分に事足りる。
  • これからリモートワークが当たり前になる分、実際に顔を併せる希少な機会で何が産み出せるかはとても重要。
  • 高度の職能レベルとファシリテーションスキル併せもつ人同士は言語のみで脳内同期可能で、リモートでも問題ないように見えている。
  • そんな人達でも顔を会わせたらもっと高い価値を産むのだろうな、と信じている。
  • VRミーティングが当たり前になったら、その時考えをアップデートしたい。

などなど思っています。

まとめ

  • 複数の視点を交錯させることで、ミーティングは生産性を高めることができる。
  • 課題に対するアイデアや考慮すべき要素を、網羅的に拡げ、収束して「成果をだす」ことがミーティングには必要。
  • 「頭の中」と「ボードの枠」を同期させ議論の状態を捉える。

当たり前のようなことですが、導くのがファシリテーターの役目であれば、しっかり意識しておきたいとおもっている次第です。

イベント開催情報

なお、明日(2018年4月15日)は以下勉強会のメインファシリテーターを行う予定です。 今回おかげさまでもう少しで定員です。興味ある方、是非お待ちしてます。

fflab.connpass.com

数値でふりかえる2017年、その先としての2018年

仕事

ファシリテーション 135回

ほとんどが社内(社外で5回ほど実施)だが、これまでの3倍くらいの回数だと思う。2017年はエンジニア職としての担当サービスのリーダーから管理職へと、ハイスピードで役割が拡張していった。その中で「直接話をしておいたほうがよい」と自分が感じた場面で主催していった結果の数。その場面というのは

  • メンバー皆の前提がずれていてコミュニケーションロスが発生している。
  • メンバーそれぞれにとって重要度の格差があり、優先度の設定にも至っていない案件がある。
  • メンバーの経験成長のため、成果を客観的に評価してほしい時期を迎えた。

およそその場面でやっていたのはこの3つ。

  • デザイン思考アプローチでのアイディエーション
  • 論理的思考アプローチでの仕様FIX
  • ふりかえり

その後どうなった?のフォローも欠かさず行った。この中で幾つかのフレームワークを考え実践したので、それはまた別の機会で紹介したい。次々に増える課題に対して、とにかく前に進む動きを止めないことで精一杯だったようにもおもう。

あえてミーティングをやらない場面もあった。

  • GHE(GitHub Eniterprise)のイシュー上で完結できるような課題が複雑でない場合。
  • KPTでいうところのProblemがあまりに外的要因の影響を受けている場合。
  • 既にそれぞれメンバーが内発的に動機づけられ連携がうまくいっている場合。

こういった場合は発生するネガティブ要素を個別に除去するフォローのみに努めた。 こうふりかえると、自分のやりたいファシリテーションは「みんなの望む未来を、なるべく早く、みんなで迎えるため」と定義できるな、と今感じている。最近はチームが置かれている状況をシステム図化して「ボトルネックを除去する」「より活動を強化する」手段の1つとしてミーティングとそのファシリテーションを位置付け、活用することを実践している。 2018年は 「メンバーが手を止め思考を共有することで生産性が高まる」と考えられる場面を見極めることを意識下において、ファシリテーションの数と、それによって獲得した未来「共有ビジョンの構築」「定量目標への到達」を計測してみたいとおもってる。

海外渡航 1回

採用目的ではじめて海外(ソウル)に渡った。たった1回だけども、大きな意味のある1回だったと思う。 入国カードで「Business」にチェックを入れたのもはじめてだった。目的も達成できそうな見込みのうえ、世界基準で技術・チーム・事業を考える動機付けとしては十分だった。これまで単なる旅行としては20〜30回くらい海外渡航しているが、「この渡航で成果を出す、出さなければただの旅行」というこれまで感じたことのなかった緊張感が自分の中で高まっている。2018年は既に1月、再度ソウルへの渡航が決まっているが、中長期的目標に向け、自分たちの活動範囲を拡張する年にしたい。

生活

ライブ 9回

2017年は少なかった。

ベストアクトは11月のogre you asshole。 一番はしゃいだのは12月のハイスタ。 一番感動したのはサンセットのハンバート。

2017年は年始のCloud nothingsをはじめYumi zouma、Frankie cosmos、Japanese Breakfast などなど、めんたい村を無視した来日が続きくやしい1年だった。2018年は遠征もしたい。

旅行 2回

会社仲間で行った沖縄は最高の思い出の1つ。今年もまた行きたい。 バンコクはトーキョーに似てた。タクシーとめるのが大変。

年齢 39歳

2018年は40歳になります。

上司より年上に見られる 2回

もう慣れました。

2018年もどうぞよろしくおねがいします。

ふりかえりにつかうレイアウト「4G」を考えた

チームのふりかえりにつかうホワイトボードのレイアウトをかんがえました。

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なぜ?

「役割を考えてチームの体制をつくる」というふりかえりミーティングのファシリテーションをする予定がありました。

お互いの思っていることを言い合うプロセスは必要(というか大事)なんだけども、なるだけ早めにチームとして機能する状態にしたい。そのうえ、開発業務とちがって「どういう役割が必要なのかあまり想像つかないぞ….」と思ってたわけです。

チームのふりかえりではKPTをよく使うんですけど、今回のケースだとTRYとして体制まで考えるのは結構大変で、もう一歩踏み込んだやり方を「ホワイトボードのレイアウトを上手く使ってとれないか?」とかんがえたんです。

どうやって使うの?

  • 何らかのチーム作業を(スプリント0)一度経験しておく。
  • チームの目指す目標は最初にかいておく。
  • ひととおり矢印の順番にすすめる。

詳しくは以下スライドをご覧ください!

speakerdeck.com

使ってみてどうだった?

「目的」を途中に挟むことでブレなく話ができたようにおもいます。またKPTでいうところの「KEEP」を「GOOD→GROUND」と段階踏むことで「なぜ?」「それはつまり何?」と全員が思考できたようにもおもいます。

10人ほど参加のミーティングにて

フェーズ 所要時間
GOOD 15分
GROUND 20分
GOAL 5分
GAP 20分
ROLE&RULE 60分

というとこでした。

今後もチームとして「自分たちのやり方」を改めて見直したい場面などで、もっと色んな場面でつかっていって フレームワークと呼べるものにブラッシュアップしていきたいなとおもっています。

ファシリテーターについてまとめてみる。

ファシリテーターについてまとめてみたいとおもいました。

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なぜ?

今年は「ファシリテーション」について、勉強の時間をふやしています。

理由は、今年からリーダーというポジションについたという点が大きいです。わたしはチームにおいてリーダーの担う役割とはチームの目指す目標を達成するため、チームの生産性を最大化させること とかんがえています。

生産性向上のため、メンバー全員が納得し、新しい仕組みを運用していくとしたら、そのプロセスに 意見を話し合う という場はかかせないものとかんがえています。なので、議論活性化しまとめる能力 というのは生産性のたかいチームをつくるために欠かせないものだとおもうんです。

で、社内でファシリテーションについて話す機会をちょっぴりつくれそうなので、いま時点での 自分の考えるファシリテーターの役割とのそのやり方ってのをまとめてみようとおもった次第です。

ファシリテーションとは

ファシリテーション(英: Facilitation)は、会議、ミーティング等の場で、発言や参加を促したり、話の流れを整理したり、参加者の認識の一致を確認したりする行為で介入し、合意形成や相互理解をサポートすることにより、組織や参加者の活性化、協働を促進させるリーダーの持つ能力の1つ。

ファシリテーション - Wikipedia

これを実践するひとを ファシリテーター とかんがえます。

ファシリテーターの役割

  • 参加者を動機付けする。
    • なんのために自分は議論に参加しているのか?を参加者が理解するための準備を行います。
  • 議論のプロセスを管理する。
  • 成果を具現化する。
    • その後、決定したことは実現されたか? 次のプロセスに議論が発展したか?フォローを行います。

ファシリテーションのながれ

ここでは自分の属するチームに限定せず あるミーティングのファシリテートを依頼された としてかんがえてみます。

準備

1.目的設定の準備

  • 可能なかぎり下記目的を事前に確認します。
    • このミーティングは、何のために行うのか。
    • このミーティングは、誰にとってメリットがあるか。
    • このミーティングで、何を達成したいのか。

これらが不明確な場合は、ミーティング自体必要ないかもしれません。

2.参加者の決定と分析

  • 目的に応じて、どういう人が参加すべきなのか事前に考えておきます。
    • 決定したい場合、決定権のある人。
    • 運用する場合、実際にその運用をとる人。
    • 開発する場合、実際にその開発をする人。
  • 参加者はどういう人なのか確認しておきます。
    • どういう知識/スキル/経験をもっているのか。
    • どういう意欲や関心をもっているのか。
    • ミーティング実施の目的に対して賛成/反対、どういう感情をもっているか。

実施

1.導入

  • 長時間、多人数であれば事前のアイスブレイクを実施します。
  • 少人数であれば「このミーティングのおわったあとどうなっていたい?」といった参加動機をひとりずつ聞くのもよし。
  • また、目的設定の準備で確認しておいた内容から ミーティングのゴール を共有します。
  • ゴールに応じて、おおまかな 議論の枠組み をきめて、タイムマネジメントを行います。

2.議論を進める

  • 参加者の意見が一致している論点にはあまり時間をかけないようにします。
  • 参加者の意見が割れる論点に時間をかけるようにします。
  • 発言を引き出すように努めます。
    • 興味持ちやすい話題を提供する。「◯◯さんXXについて話してませんでした?」
    • 状況を具体的に設定する。「例えば〜みたいな問合わせがきたりとかですね」
  • 発言を受け止めるように努めます。
    • 発言そのものと、発言に至った背景を理解する。「なるほど〜だから〜とおもったわけですね」
    • 自らの判断を加えない。
    • 発言を聞くときはその後の流れなどを考えず、発言に集中する。
    • 自分がどう理解したか復唱し、理解したことを示す。「つまり〜ということなんですね」
    • 発言者が感情的な場合は口調動作などを相手に合わせてペーシングする。
  • 適切な質問をするよう努めます。
    • オープンクエスチョンでアイデアを引き出し、参加者の参加意識を高める。「どんなものがありますか?」
    • クローズドクエスチョンで参加者の合意をつくる。「これについてはYES/NO?」
    • 言葉の定義を明確にするための質問を行う。「それはなに?」
    • 抽象的な言葉を具体化するための質問を行う。「つまりそれはなに?」
    • 主張に対して根拠が欠落している場合、確認の質問を行う。「それはなぜ?」
  • 発言を整理します。(ホワイトボードや付箋をつかっておく)
    • 同じ意見をまとめることで抜け漏れをふせぐ。
    • 意見を関連づけていく。(目的/手段、原因/結果、タイムライン、事象/解釈)
    • 整理した内容のレベル合わせをする。(抽象度で並べてみる)
    • 意見が一致していないのに議論が不足している箇所がないか明らかにする。
  • 横道にそれた発言に対処します。
    • 的外れな意見の場合、受け止めた上で、今後の材料として仕分けておく。
    • 意見のレベルがあってない場合、(いきなり具体策/そもそも論)ずれを指摘し発言の理由を確認する。
    • これらは導入での目的共有が弱いとおこりやすいので、ミーティングのゴール を再確認する。
  • 対立のマネジメントを行います。
    • 一致しているもの対立しているものを区分けし、参加者が対立点を客観的にみることを可能にする。
    • 意見が対立しているのか、意見の抽象度の違いなのか、明確にする。

3.クロージング

  • 議論の結果としてどのような結論が導き出されたか、共有します。
  • 次回開催が必要であれば、いつ、何について、誰が、どのような準備のもと行うか明確にします。

フォロー

1.内容へのフォロー

  • 結果が必要な範囲で正しく共有されているか確認します、例えば議事録など。
  • 結果が実行に移されているか確認します。「その後どうなりましたか?」

2.参加者へのフォロー

  • 参加者はミーティング後どうなったのか、ネガティブ要素が発生していれば声をかけるなどフォローします。
    • 認識 それぞれが、結果をどう認識したか?
    • 関心 それぞれが、どの論点を重視していたか?
    • 感情 それぞれが、結果/プロセスにどういう感情をもったか?

全体通して注意しておきたいこと。

  • 「議論する」「整理する」「検討する」といった あいまいな目的 は避ける。
  • 前提の違い を意識する。例えば「顧客満足度向上」は職種によって意味付けが異なる場合がある。
  • 様々な解釈がある ことを意識する。
  • 参加者によって、参加することへの 重要度の格差 があることを意識する。
  • 対立において 自分の知らない人間関係がある可能性 を意識する。
  • 職種(エンジニア/デザイナ/ディレクターなど)間の差異を実際以上に強く感じる強調化効果 があることを意識する。
  • 逆に同じ職種内では実際以上に同じ特性をもっているように感じる 同化効果 があることを意識する。
  • 沈黙をうまないよう意識する。同調圧力により皆が黙ってしまう 可能性がある。
  • 一度決めたことを正当化し、一貫性を保ちたいという意識が ただのこだわり を生んでいる可能性があることを意識する。
  • その場合、前提が変化していることを参加者で共有し、一貫性が崩れているわけでないことを明示する

まとめてみて思ったこと

ファシリテーションってめちゃくちゃ大変じゃん…….。 けど、これができたら、すごくよいチーム状態を維持できる とおもえるようにもなりました。

議論の枠組み議論のすすめ方 など、具体的な方法については ロジックツリーやファシリテーショングラフィック、ビジネスフレームワークなどの勉強をしているので、こちらもこんどまとめてみようとおもいます。

(ちょっとだけ追記)

これまでやってたこと、意識しようとしていたことを、あらためて1つ1つ振り返ってまとめてみた結果、 「できてたつもりだったな….ファシリテーションってめちゃくちゃ大変じゃん……」って客観的におもえたんです。 まとめるのだいじですね。

Hugoでサイトつくってみる

サイトジェネレータつかって静的コンテンツをいい感じに作りたいとおもいました。

ここでのいい感じとは

Webアプリケーションと切りはなされてて
Edgeがきいてて
Lovelyで
Long life(飽きがこない)

つまり「WELL」(いまかんがえた)

Hugoがファイル生成速くていい感じらしいので試してみます。

インストール

GitHub - spf13/hugo: A Fast and Flexible Static Site Generator built with love in GoLang

installing guide に従ってインストール

Hugo - Installing Hugo

goはいってない場合はgoから。

$ brew install go

How to Write Go Code - The Go Programming Language

zshつかってるので ~/.zshrc でGOPATH指定します。

これからGoを始める人のためのTips集 | The Wacul Blog

なるほどなるほどっておもったので、以下のように指定しました。

export GOPATH=$HOME/go/third-party:$HOME/go/my-project
export PATH=$HOME/go/third-party/bin:$HOME/go/my-project/bin:$PATH

準備できたのでインスト〜ル

$ go get -v github.com/spf13/hugo

mysite をつくります。

$ hugo new site mysite

カレントディレクトリに以下の構成ができました。

$ tree mysite
mysite
├── archetypes
├── config.toml
├── content
├── data
├── layouts
├── static
└── themes

Hugo Themes Site

テーマを試しに1つ用意します。

git clone https://github.com/lasseborly/anybodyhome.git themes/anybodyhome

config.tomlを編集。

baseurl = "http://replace-this-with-your-hugo-site.com/"
title = "My New Hugo Site"
languageCode = "en-us"
theme = "anybodyhome"

記事つくってみます。 hugo new hoge.mdcontent 下に追加されました。

$ cd mysite
$ hugo new hoge.md
$ tree .
.
├── archetypes
├── config.toml
├── content
│   └── hoge.md
├── data
├── layouts
├── static
└── themes

TOML記述のfront matterがページ毎のパラメータとしてついてます。 もちろんカスタマイズできるとのこと。

$ cat content/hoge.md
+++
title = "hoge"
draft = true
date = "2016-09-12T02:45:25+09:00"

+++
$ vim content/hoge.md
+++
title = "hoge"
draft = true
date = "2016-09-12T02:45:25+09:00"

+++

# My First static page generate by Hugo.

確認のためサーバー起動&ビルド

draft=trueのページしかないのでドラフト版もビルドするオプションつけます。

$ hugo server --buildDrafts
Started building sites ...
Built site for language en:
1 of 1 draft rendered
0 future content
0 expired content
1 pages created
0 non-page files copied
1 paginator pages created
0 tags created
0 categories created
total in 34 ms
Watching for changes in /Users/akrmiya/test/mysite/{data,content,layouts,static,themes}
Serving pages from memory
Web Server is available at http://localhost:1313/ (bind address 127.0.0.1)
Press Ctrl+C to stop

f:id:akrmiya:20160912032251p:plain 表示できました。

ビルド後の構成。(テーマ以下は省略)

├── archetypes
├── config.toml
├── content
│   └── hoge.md
├── data
├── layouts
├── public
│   ├── 404.html
│   ├── index.html
│   ├── index.xml
│   └── sitemap.xml
├── static
└── themes
    └── anybodyhome

飽きてないし愛せるのでHugoいい感じです。 整えてこんどオリジナルテーマつくりたいとおもいます。